次世代産業委員会は、ベンチャー投資家/京都大学大学院特任准教授 山本康正 氏迎え「破壊的メガトレンド 世界を変える5つのテクノロジー~2025年を制覇する“破壊的企業”とは~」と題した特別講演会を会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、200名を超える参加者があった。
山本氏は「テクノロジーが浸透するメカニズムは『ハードウェア×デジタル×サービス=消費者の満足度』で決まる。日本は、ハードウェアとサービスでは優れているが、デジタルが弱い。非常にもったいない状況だ」と提唱し、ビジネスはこの掛け算を意識することの重要性を説いた。
また、EV業界をけん引するテスラ社のCEOのイーロン・マスク氏の考え方を例に挙げ、ビジネスにおいて、ここから先は国の仕事などと境界線を決めず、自分でやってしまおうという発想で考えることが重要だ、と述べた。
「今後は業界を超えて、あらゆる企業がライバルになる可能性がある。業界の壁を取り払ってどう戦うのか、考えていかなければならない時代が来ており、情報の壁を取り払うことでサービスは多様に展開できる」という展望を語ったうえで、「そもそも日本でDXという言葉が流行っていること自体に危機感を覚えている。シリコンバレーなどの最前線ではDXを行っていると話す企業は残念ながらいない。それはつまり、日本ではテクノロジーが経営の中に入っていないということを意味している。」と警鐘した。
「今のテクノロジーは5G(データの高速化)と人工知能(データを使った判断)、クラウド・ビッグデータ(データの保存処理)に分解できると考えている。このコロナ禍がデジタル化に対応する最後のチャンスで、ここで変わらなければ今後きっかけがなくなると思い、ぜひ力強く取り組んでいただきたい」と締めくくった。