神戸商工会議所とアンカー神戸は、起業の促進とスタートアップの育成を支援するため、スタートアップ起業家や起業を志す学生、新規事業担当者などを対象に、地元の有力経営者が自身の体験談や大切にしている思いなどを語る懇談会を開催している。
第3回目となる今回は、㈱デジアラホールディングス代表取締役会長の有本哲也氏が登壇。同社は、インターネットを活用してエクステリア商材を工事付きで全国に販売する「エクスショップ」や、お庭・外構工事のプランニングから施工までを手掛ける「ガーデンプラス」を全国に展開している。有本氏は、創業期から事業が拡大するきっかけとなった数々のエピソードを紹介。震災後に家業の材木業を継いで新しいビジネスを模索する中、当時はまだ黎明期にあったインターネットの活用を思い立ち、自らWebサイトを立ち上げた。県外の顧客から注文を受けた際、現地の職人に依頼して工事を完了させた経験から、ネットを使った全国販売の可能性を確信。工事パートナー店の全国ネットワークを独自に構築し、現在のビジネスモデルを確立させた。「当社はネットで売ることが強いのではなく、全国どこでも工事のネットワークを持っていることが特徴」と自社の強みを強調した。
また、ネットでの買い物が普及していない2000年当時の苦労話を紹介。「顧客の信用を得るために『お客様の声』を地道に収集するなど、顧客の求める情報を自社サイトに掲載し続けたことで、徐々に注文数の増加に繋がった」と述べた。現在、有本氏は、出資やサポートを通じてスタートアップの育成に精力的に取り組んでいる。その背景として、前身の会社を設立した際、関心を持ってくれた経営者から出資を受けたことが大きいという。「創業当時の恩返しも含めて、次世代の起業家支援に取り組んでいる。神戸から若い起業家が増えるよう応援していきたい」とメッセージを送った。
参加者からは、社員のマネジメントポイントや、今後のエクステリアに関するビジネスの可能性など、数多くの質問が寄せられた。
