Report

活動報告・支援事例

(2024.2.28)第6回KCCI Startup Pitch & Meet

  • 神戸商工会議所 新事業・イノベーション創出委員会は、兵庫県内を中心に事業展開するスタートアップが自社の製品やサービスを紹介するピッチイベントを定期的に開催している。6回目となる今回は、「神戸大学発スタートアップの魅力とビジネスチャンス」をテーマに、神戸大学発スタートアップ5社(右ページ参照)が登壇。それぞれの取り組みを披露し、地元企業に協業を訴えた。ピッチ終了後には、神戸大学の卒業生であり、再生医療事業を展開するセルソース㈱代表取締役C X O の裙本理人氏を招き、「新規事業の創り方-新たな価値を創出する組織-」をテーマに特別講演を行った。裙本氏は、神戸大学卒業後、住友商事㈱を経て2015年にセルソース㈱を設立。現在は東証プライム市場に上場を果たしている。ゼロからビジネスを立ち上げ、成功に導いた経験を持つ裙本氏は、新規事業を進める際にまず考えることは「解決すべき“社会課題の特定”」であると強調。「まず“課題の質”を徹底的に高め、そこから商品・サービスなどの“解決策の質”を高めることが重要。逆の順番で事業を進めると、途中で解決する課題を見失い、伸び悩んでしまう可能性がある」と述べた。また、より社会的インパクトの大きい“質の高い課題”の解決を目指すことがビジネスの成功に繋がりやすいと指摘。同社の事例として、日本が抱える少子高齢化問題や国の財政問題などの社会課題に向け、再生医療分野で役割を果たすことを目指してきた経験を語った。また、裙本氏は社会にとって良い会社・事業とは何かについても言及。「これまではヒト・モノ・カネが揃っていることが重要だったが、今の価値観では、『社会に価値を提供していること』が重要視される」「社会課題の解決を起点として売上・利益を上げる。そして事業への再投資やステークホルダーに還元し、結果的に社会全体に良い影響を与える。このループを高速で回し続けることが良い会社である」と語った。加えて、若者の価値観の変化についても指摘し、経営を続ける上では、「常に新しい価値観をアップデートし、変化し続けることが重要」と訴えた。講演後は、登壇スタートアップと参加者の間で活発な交流が行われた。神戸商工会議所は、今後もスタートアップと地元企業の出会いの場となるイベントを開催していく。