10月20日、地元企業の事例から新規事業の取り組みを学ぶとともに、企業間の共創を促す機会として、移動型サウナバス「サバス」を展開するスタートアップ、㈱リバース代表取締役社長の松原安理佐氏を招き説明会を開催した。引退した路線バスの車体をサウナとして再活用した「サバス」は、どこでも気軽に本格的なサウナが体験できることから、全国のサウナファンの間で話題を集めている。
松原氏は、神姫バス㈱の社員。入社3年目に新規事業開発の担当となり、会社の資産であるバスを活用した新規事業を模索していた。コロナ禍のアウトドアブームでキッチンカーやキャンピングカーといった移動型サービスのニーズが高まる中、より大きな空間を持つバスの可能性を感じ、サウナとバスを掛け合わせた「サバス」を考案した。事業化の際には、経済産業省が実施する「出向起業制度」を活用し、㈱リバー
スを設立。同制度を利用することで、所属企業を辞めることなく新事業にチャレンジでき、事業費の補助を受けられたことなどのメリットを紹介した。また、バスの改造には、「サウナイキタイ」(サウナ施設の検索サイト)とタイアップすることで、ファンの声を取り入れた本格的なサウナが体験できる仕様に改造した。
2022年3月のサービス開始以来、温浴施設や行政、観光施設などからサービス利用に関する問い合わせが寄せられている。松原氏は「コロナ禍によって利用者が減少したバスやタクシー会社とタイアップし、車両を活用した次の新事業を展開していきたい」と抱負を述べた。